2017年東壁面に続き、 2018年はトヨタ産業技術記念館の『顔』でもある正面玄関及び西側の煉瓦壁面保存修繕工事を行いました。
近代化産業遺産に認定されているトヨタ産業技術記念館の象徴である赤レンガの建物を歴史的遺産として、未来に残す保存修繕工事です。
(施工前)
趣のある佇まいですが、雨水の浸食により、煉瓦のひび割れ・黒変(カビ)・エフロ等を発生し、煉瓦を劣化させています。
危険な部位は煉瓦交換をし、防水剤・撥水剤コーティングにより、雨水の浸食劣化を防ぐ煉瓦壁面修繕工事です。
(足場架設工事)
これから数か月の間お化粧直しという事で、正面玄関及び西面の煉瓦壁面が隠れます。ご迷惑をおかけいたします。
(化粧パネル仮囲い工事)
(加圧超高温水洗浄)
150℃超の加圧高温水が噴射される際に、水蒸気化するエネルギーを利用した洗浄システム。 高噴射圧力に頼らない洗浄方法のため、当工事のような脆弱な基材の洗浄も水圧で傷めることなく、かつ強力な洗浄力を発揮します。
ひび割れ・劣化煉瓦撤去後、復元煉瓦埋込み
ひび割れ・劣化煉瓦撤去後、復元煉瓦埋込み
欠損部煉瓦埋込み
目地詰替え
煉瓦表面黒変部・劣化部・汚れ等サンダー掛け除去
擬石補修
(シーリング工事)
(ウレタン塗膜防水工事)
(保護透明塗膜塗装工事)
(含浸型防水剤“サーファポアC”コーティング工事) (透湿型撥水剤“ナノガードB”コーティング工事)
煉瓦の細かなポーラス内に針状突起を形成することで蓮の葉の撥水現状を再現させる防水方法であり文化財の意匠性を損なうことなく、自然な風合いで長期的な撥水性能を付与する工法です。
(防撥水状況)
(完成)
長期工事を終え、綺麗な煉瓦壁面へと生まれ変わりました。
煉瓦の風合いを損なわず、雨水浸入を防ぎ、劣化を抑制します。これからもトヨタ産業技術記念館の顔として来館者様をお迎えいたします。
工事期間99日。のべ作業員&監督員数517名が当工事に関わりました。全火協のチーム力、「笑顔」「謙虚」「感謝」「誠実」の理念を胸に安全に工事を納めることができました。
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